第11話からのつづき ──その日の夜。 イチカワ雄二は、ファミレスの片隅で、ノートパソコンを開いていた。 「エゾエ……あんた、見る目ないね」 ニヤリと笑う。 「こっちはもう次のステージに進んでるんで──」 画面には、新し […]
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第8話:名刺と千円札
──午後10時。 カンゾウの自習室は、いつもより静かだった。 試験が終わったばかりということもあり、生徒の数はまばら。 時計の針の音が、やけに大きく聞こえた。 「……広瀬さん、そろそろ閉館ですよ」 受付のスタッフが、申し […]
Continue reading第11話:かつての「総長」
東新宿、午後5時。 夕焼けに染まる細い路地を、ひとりの男が歩いていた。 島田タクミ。 かつて「名誉総長」と呼ばれたその男は、今や肩書も居場所も失っていた。 シャツの襟は伸び、靴のかかとはすり減り、手にした紙袋の中にはスー […]
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