秋の風が稲穂を揺らす頃―― イカルガ塾の朝は、いつものように土の匂いと鳥のさえずりに包まれて始まった。 だがその裏側では、「新しい学びのシステム」が着実に根を張りはじめていた。 黒板の横には、塾生ごとの週間学習ダッシュボ […]
Continue readingカテゴリー: 竹内ダイキの再起動
第15話:イカルガシステムの構築
斑鳩の地に滞在して、二週間が経った。 最初は「農家民泊のお手伝い」のつもりだった。 だが気づけば、ダイキは連日のように斑鳩塾の敷地内をうろついては、現場観察メモを取り続けていた。 縁側、座敷、農家の縁故をたどった寮生活。 […]
Continue reading第14話:斑鳩塾との出会い
「この辺じゃ有名なんよ。ウルシベさんて」 その晩、集落の公民館で開かれた「農と教育をつなぐ地域フォーラム」に、マサトの付き添いで顔を出したダイキは、そこで思わぬ形で“塾”と再び出会うことになった。 漆黒の作務衣をまとい、 […]
Continue reading第13話:奈良への旅立ち
「お前、ベイカー辞めたんだって? …てことは、今、フリーってこと?」 ある晩、ぼんやりとスマホの画面を眺めていたダイキに、大学時代のゼミ仲間・稲城真斗(いなぎまさと)からLINEが届いた。 マサトは大学では公共経済学や地 […]
Continue reading第12話:驚きのサプライズ面接
転職サイトからの紹介メールは、件名からして妙に熱かった。 件名:完全個別×究極集団=奇跡の合格!国立塾が貴方を求めています! 文面にはこう続いていた。 「ベイカー出身の貴方なら、カタカナ言語に精通しておられるはず。教育業 […]
Continue reading第11話:泥臭い塾の実情
カンゾウの見学を終えた帰り道、ダイキは駅までの道をゆっくり歩いていた。 都会の雑踏に紛れるように、さまざまな思いが頭を巡っていた。 (トップが「バカ殿」でも、現場が優秀なら成り立つ……そんな組織が本当にあるんだな) 奇妙 […]
Continue reading第10話:ラガーシャツの男
西新宿の超高層ビル群を後にし、ダイキが次に向かったのは高田馬場。 見上げれば空がかすむような灰色の雑居ビルだった。 「……ここが関東学力増進機構、通称カンゾウ」 ビルのエントランスには「自習室は5階」「講師控室は6階」「 […]
Continue reading第9話:招かれざる存在?
第8話からのつづき 部屋の奥、赤絨毯の上に、三者は三角形に座っていた。 プレジデント・サギヤ。 フェニックス講師・ニッポリ。 そして、異業種からやってきた転職希望者、竹内ダイキ。 重厚なBGMが流れ続ける中、サギヤはゴー […]
Continue reading第8話:フェニックスの間へ
梅雨が明けたばかりの渋谷。 湿気と熱気が混じり合う街を抜け、ダイキは雑居ビル街の中に足を踏み入れていた。 Googleマップを片手に探していたそのビルは、灰色でくすんだ外壁が印象的だった。 だが、エレベーターで最上階に上 […]
Continue reading第7話:どこまで「揺れ」に付き合えますか
応接室に、ふたたび静けさが戻っていた。 冷房の微かな風音と、ビルの外を走る救急車のサイレンが、遠く微かに聞こえてくる。 ダイキは沈黙していた。 水の入ったグラスを前にしながら、先ほどのエゾエの言葉が、まだ心の中で波紋を広 […]
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