第4話からのつづき ──時代は1980年代。 甲子園のアルプス席では「サウスポー」と「狙いうち」が一日中鳴り響いていた頃。 高校野球は、“青春のすべて”だった。 地方都市にある私立高校──その野球部のキャプテンが、江添慎 […]
Continue readingカテゴリー: エゾエ慎太郎の採用面接
第4話:自分探し君
──午後3時すぎ。メディカルデラックスの応接室。 面接室のドアが、勢いよく開かれた。 「はじめましてっ!!」 ドアから入ってきたのは、やや小柄で、やけに頭が大きい男。 白いワイシャツはボタンダウン。 ダークイエローのチノ […]
Continue reading第3話:元ブラック労働マン
第2話からのつづき 受験業界では通称「メディデラ」と呼ばれている医学部専門予備校・メディカルデラックス。 本部ビルのガラス張りの面接室に、スーツ姿の男が姿を現した。 時計は、午後2時半を指していた。 ノック3回。ドアが開 […]
Continue reading第2話:いわゆるシゴデキ男
受験業界では通称「メディデラ」と呼ばれている医学部専門予備校・メディカルデラックス。 本部のガラス張りの面接室に、スーツ姿の男が姿を現した。 時計は、午前11時きっかりを指していた。 ノック3回。ドアが開き、男が柔らかな […]
Continue reading第1話:先生と呼ばれたくて
医学部専門予備校・メディカルデラックス本部。 都庁を望む副都心の高層ビル街。 その一角に建つオフィスビルのひとつ、その34階の応接フロアに、午後の日差しがやわらかく差し込んでいた。 磨き抜かれたガラス窓の向こうには、遠く […]
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