──その少年の名は、坂井大介(さかいだいすけ)。 下町の底辺高校に通う高校3年生。 成績は、下から数えた方が早い。 進路希望は「大学ならどこでも」と書き、担任から苦笑された。 しかも、ダイスケの家は貧しかった。 父はトラ […]
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第16話:夜の街で、再び
第15話からのつづき 新宿・歌舞伎町。 夜の雑踏に、光と音と酔いが混ざり合っていた。 ハルカは、TOHOシネマズの前を通り過ぎ、職安通り方面へと歩いていた。 このあたりには、“トー横”と呼ばれている場所がある。 ほんの少 […]
Continue reading第11話:かつての「総長」
東新宿、午後5時。 夕焼けに染まる細い路地を、ひとりの男が歩いていた。 島田タクミ。 かつて「名誉総長」と呼ばれたその男は、今や肩書も居場所も失っていた。 シャツの襟は伸び、靴のかかとはすり減り、手にした紙袋の中にはスー […]
Continue reading第8話:個人情報売買
メディカルデラックス、通称「メディデラ」の一室。 名誉総長・タクミのデスクには、分厚い紙束が無造作に置かれていた。 それは、講習申し込み用紙や進路調査票、生徒アンケート、さらには模試の結果票。 保護者の職業、世帯年収、住 […]
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