──メディカルデラックス 応接室。 カトウ社長、エゾエ教務部長、そして営業部の数名。 その前に、島田タクミが、腕組みをしてドヤ顔で座っていた。 エゾエが、資料をめくりながら言った。 「……入塾者、50名突破しました」 カ […]
Continue reading投稿者: 1
第6話:父親たちの星
──メディカルデラックス 校舎前。 「ねぇ、あれが“りなリンゴ⭐︎”の動画に出てた階段?」 「うん!写真撮ろ!」 女子生徒たちが、キャッキャと笑いながらスマホを構える。 ──だが、その裏側で。 彼女たちは、りなリンゴ⭐︎ […]
Continue reading第5話:釣られたカモたち
──数日後。 メディカルデラックス・営業部。 朝から、電話が鳴りっぱなしだった。 「はい、メディカルデラックスです──あ、資料送付ですね!かしこまりました!」 「はい、ご見学ですね──いつごろご希望でしょうか?」 社員た […]
Continue reading第4話:りなリンゴ☆登場
──都心の高層ビル群の中 その37階にあるメディカルデラックス校舎。 その日。 島田タクミは、エレベーターホールで腕を組みながら待っていた。 (来る……) (本命が──来る!!) チーン。 エレベーターのドアが開いた。 […]
Continue reading第3話:YouTubeコラボ作戦
──池袋・飲み屋街の外れ。 島田タクミは、狙いを定めていた。 居酒屋からゾロゾロと出てくる、専門学生たち。 ヨレたパーカー、無地のトート、安そうな髪色。 (……おったな) 彼らは貧乏そうだが、声はデカい。元気はある。 […]
Continue reading第2話:レッドオーシャン
──メディカルデラックス会議室。 長机の前には、営業や広報のスタッフたちがズラリと並んでいた。 その中に、島田タクミの姿もあった。 教務部長・エゾエが、プロジェクターの資料を指し示しながら言った。 「現在、医学部志望者全 […]
Continue reading第1話:ケンブリッジ卒の男
──高層ビルが林立する都心の一等地。 その中にそびえ立つ、タワービル37階。 そこにあるのは、医学部専門予備校── メディカルデラックス。 通称、メディデラ。 年間の学費は最低でも800万円。 夏期講習や個別指導を加えれ […]
Continue reading第6話(終):勝手に勝利宣言
──巣鴨・邁進塾。 邁進塾は、粘り強く耐えた。 誠実な指導を続けた結果、地域新聞の教育欄に小さな記事が載った。 【巣鴨の小さな塾、静かな人気──「一人ひとりを大切に」】 それを読んだ保護者たちが、少しずつ戻ってきた。 チ […]
Continue reading第5話:怪文書とネットの誹謗中傷
ある日、邁進塾に通う生徒の保護者たちのもとに、次々と不審な封筒が届き始めた。 《注意喚起》 《巣鴨周辺に危険な塾が存在します》 《未成年を食い物にする悪質経営者の噂あり》 ──差出人不明の、悪意に満ちた怪文書だった。 […]
Continue reading第4話:静かなる反撃
──巣鴨・邁進塾。 その日、イヌドウは静かに、生徒たちを集めてこう言った。 「みんな、最近……この周りで変なことが起きてるよね」 生徒たちは顔を見合わせ、こくりとうなずいた。 イヌドウは、少し微笑んだ。 「心配しなくてい […]
Continue reading